壇蜜さんの日記本「壇蜜日記」を愛読しています。2013年10月7日から2022年1月31日までの約８年分の日記が、８冊の書籍となり現在刊行されているものです。
壇蜜日記のここが好き
壇蜜さんの日記からは品の良い生活感が漂い、日々の記録が落ち着いた文章で淡々と、自分と周囲を静かに見つめるように綴られています。よくよく見ると穏やかでない内容の日もあるのですが、文章の力なのかさらりと呑み込めてしまう。
一言で言うと「低め安定」であるところに心地良さを感じます。
また、個人的に好きで何度も読み返している、壇蜜さんへのインタビュー記事がこちら。
私にとって「ちゃんと生きられる」の意味は、経済的・精神的に自立して生きられるということです。ひとりで生きられないから結婚するのではなく、自分ひとりでも生きられる自信がついたから誰かと一緒にいられるようになったわけで。
婦人公論.jp 2020年7月13日
壇蜜さんの持つ結婚観は、グラビアのお仕事の中で定着した「国民的愛人」のイメージとは真逆のものです。
もちろん人の数だけ考え方がありますが、個人的には、自分を幸せにするのはあくまで自分であって、誰かに幸せにして貰うものではないと常々思っています。
その更に先を行くような考え方を持つ壇蜜さんの日記だからこそ、読んでいて心地良いのかもしれない。
そういえば、”亭主”という生き物も、新たに私の人生に加わりました。人間は大人しいタイプを選んだので、手がかかりません（笑）。
婦人公論.jp 2020年7月13日
この部分も好き。
最新刊「新・壇蜜日記２」
今回、壇蜜日記のことを書くにあたり、改めて８冊分を読み返しました。個人的趣味で大変恐縮ですが、その中から最も好きな１日を挙げます。
眠くて食事できない亭主、何かにつけて文句を言うようなムードを出すペット、全てかわいい。現実の私は幸せだ。
「新 壇蜜日記２ まあまあ幸せ」2021/11/16
悪夢を見た日の日記。昨日はせっかく作ったご飯を食べて貰えなかった。今日は布団に猫を巻き込んでしまい、不機嫌な態度を取られた。それでもかわいいから全て良し。
幸せとは、見返りを求めないことなのかもしれない。
余談ですが、この本の巻末には「亭主」こと清野とおるさんによる直筆文とイラストが掲載されています。とても素敵なお手紙。うまく表現出来ないのですが、お二人の感性には似ているところがある。
既刊まとめ
既刊７冊についても、１冊につき１日を選び以下にまとめます。
壇蜜日記
８歳の女児からの手紙には質問が書かれていた。年は33歳、すきな色は灰色、休みの日はひたすら眠って自分と折り合いをつけ、毛の無いネコを飼ってるよ。なんか、ごめん。
「壇蜜日記」2014/1/2
８歳女児が喜ぶ回答であるかは分からないが、31歳女性には刺さった。
壇蜜日記２
五百円割引チケットでリピーターになるお安い客だが、最近私が広告を務める商品を写真ごと陳列してくれている。まさか気を使われたか。
「壇蜜日記２」2014/12/19
ドラッグストアの広告パネルにはタレントの顔写真が大きく使われているものも多い。客として対面してしまうと気まずいだろうな、と思う。
壇蜜日記３
好きな男に告白できない時は、「来世あたりあなたの飼い猫になりたい」と言う。
「壇蜜日記３」2016/4/22
「月が綺麗ですね」よりも分かりやすい。
壇蜜日記４
同世代、細身で酒浸り、心に大層大型の闇を飼っているような男。
「壇蜜日記４」2017/2/10
何でもない日に何気なく書いた日記が、後の人生の伏線になることもある。
壇蜜ダイアリー
趣味や癖、職務内容などで自分のツボを自分でつつきながらなんとか生きている者は多い。私はとくに生き物がいる環境は手放せない…という癖がある。
「壇蜜ダイアリー」2018/7/16
自分の機嫌は自分で取る。そのための手段は、人様に迷惑をかけなければ何であっても構わないと思う。
壇蜜ダイアリー２
結婚してみることにした。深夜の北区役所に婚姻届を提出してきた。
「壇蜜ダイアリー２」2019/11/21
婚姻届を出した記念すべき日の日記が、句読点含めたったの３１文字であることに潔さを感じる。
新・壇蜜日記
年一しか会えなくてもそれを励みに生きていけるなら、生き甲斐になっていい人生かもしれない。毎日会いたい、というのはきっと人によるよ。
「新・壇蜜日記」2020/7/7
「好きなら毎日会うのが当然」という考えを他人に押し付けてはいけないと思う。
試し読み「壇蜜日記０」
Kindle Unlimitedで読むことができる、試し読み版の「壇蜜日記０」。本業であるグラビアページとお人柄のよく分かる対談も付いていて、入門編として最適な１冊です。
