【映画 鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成】原作への敬意がないと、ここまで誠実な作品にはなり得ない【感想】

映画「鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成」が現在公開されています。

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上映回数はかなり減ってしまいましたが、まだ間に合います。

実写化するということ

主役のファンです。

この立場からはあまり大きな声では言えませんが、私も小説や漫画の実写化には良いイメージを持っていません。

好きな作品が都合の良いように捻じ曲げられ、原作の描写とかけ離れた容姿になっていたり、設定が歪められ、原作では絶対に言わないようなセリフを言わされていたりした場合は、末代まで語り継ぐレベルで根に持ってしまいます。

誰だってそうです。

原作ありきの作品で一番してはいけないことは、原作への敬意を忘れることです。

 

原作への敬意を忘れないこと

今作の見どころは、原作への誠実さです。原作のある映画を作ることではなく、原作を再現した映画を作ることに重きを置いているように思います。原作を再度読み返してから完結編を見たのですが、全く同じ構図のシーンが数多く出てきたことに驚きました。同じような構図、というレベルの再現度ではありません。立ち位置、体の角度、表情も含めて全く同じ構図です。

公式から雰囲気が分かりやすい動画が出ています。

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数百人は居るであろう、映画「鋼の錬金術師」のすべてのキャストや制作陣の心のうちは当然知る由もありませんが、少なくとも監督と主要キャストの中に原作を軽んじているような人はいません。

舞台挨拶を何度か拝見しましたが、皆さんが思い思いに原作の素晴らしさ、自分の役の格好良さ、この作品に出られたことへの喜びを繰り返し繰り返し語っていたことが印象深いです。

あんなに言われたのに、まだ続けるの?と一瞬でも思った自分が情けない。

 

エドという役を背負うこと

主人公のエドワード・エルリックを演じた山田涼介さんは、この役のオファーを受けた理由を次のように話しています。

原作ファンとして『ハガレン』を実写化すること自体が僕は禁忌を犯しているような気がしたんです。原作やアニメのイメージを崩すことなく、あのクオリティにできるのかという不安が正直あったんですよ。でも僕にオファーが来た意味とかいろんなことを考えて、もし僕がこれを断った時に、他の誰かがこのエドワードという役をやっているのを想像しただけでものすごく嫌だったんですよね。だったら、僕にオファーを下さったわけだし、僕もこの役が大好きなのでやってみたいっていう気持ちが勝って、決心できました。

             CUT 2017年12月号 山田涼介インタビューより

役者として苦渋の決断だと思います。好きな作品の実写化の話が自分に来たときに、自らが演じるか、それとも他人が演じるところを指を咥えて見ているか。

また、映画の宣伝活動全般を見ていて感じたのは、曽利監督への信頼と感謝の言葉がとても多かったことです。「原作への敬意を忘れない」という方向性が、監督と主演との間で一致していたのだと思います。

スクリーンの中にはエドがいました。

 

【おまけ】エドの父・ホーエンハイム

完結編からの追加キャストで個人的に一番良かったのが、内野聖陽さん演じるエドの父・ホーエンハイムです。

「最後の錬成」ではなく「復讐者スカー」の方ですが、トリシャの墓前で親子が再会するシーンが特に好きです。亡くなった母親の墓参りというしんみりするはずの場面なのに、どこまでも飄々とした父とムキになる息子の嚙み合わなさが面白い。


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現在上映中の「最後の錬成」に登場する、ホーエンハイムの過去部分の映像がまるごと公開されています。

奴隷時代のホーエンハイム(山田涼介さん)とフラスコの中の小人(声:内野聖陽さん)として、役柄を変えてのお二人の共演も見どころです。

 

全員集合の圧が強い。